とかく揉め事の種になるのが相続と遺留分だ

「遺留分」というのは「相続できる・もらえるであろう」という期待を持っています。
遺言によってその「期待」が侵害(?)された場合に、
ある程度は回復できるように、という制度が遺留分減殺請求権です。

ですので、相手方にかかわらず、相続人各自が自分相続割合に応じ、
個々に遺留分減殺請求権を行使することができます。

<民法>
(遺留分の帰属及びその割合)
第1028条
兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる
区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。
1.直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の3分の1
2.前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の2分の1

(遺贈又は贈与の減殺請求)
第1031条
遺留分権利者及びその承継人は、
遺留分を保全するのに必要な限度で、遺贈及び前条に
規定する贈与の減殺を請求することができる。

(遺留分の算定)
第1030条
贈与は、相続開始前の1年間にしたものに限り、
前条の規定によってその価額を算入する。当事者双方が
遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、
1年前の日より前にしたものについても、同様とする。

(代襲相続及び相続分の規定の準用)
第1044条 第887条第2項及び第3項、第900条、第901条、
第903条並びに第904条の規定は、遺留分について準用する。

(特別受益者の相続分)
第903条
(第1項)共同そうぞく人中に、被相続人から、遺贈を受け、
又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として
贈与を受けた者があるときは、被そうぞく人が相続開始の時において
有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを
相続財産とみなし、前3条の規定により算定した相続分の中から
その遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもって
その者のそうぞく分とする。

このように、
遺留分減殺請求権は、その対象が配偶者と子又は直系尊属となっています。
遺言などによりその相続人の中に遺留分が侵害される人がいた場合、侵害する人
に対して減殺請求が出来ることになっています。

生前贈与は、そうぞく人に対する、生計の資本としての贈与などが、
期間制限なくそうぞく財産の総額に算入されます。さらに、
贈与者の死亡の1年以内の贈与は
遺留分を侵せば、その額は引き戻して計算されます。
1年以前の贈与でも、
遺留分を侵すことを知ってなされた贈与も同様ということです。

生前贈与は
・受贈者が相続人であろうとあるまいと、
「そうぞく開始前の1年間にしたもの」+「1年前の日より
前にしたものでも、当事者双方が遺留分権利者に損害を
加えることを知って行った贈与」を加算して「みなしそうぞく財産」
を算出することが正解です。

遺留分の計算は、「遺産(この中に「遺贈」の部分も含まれている)」+「生前贈与」=
「みなし相続財産」に各自の「法定相続分×遺留分率(1028条1号又は2号)」を掛けて算出した
「個別的遺留分額」を出し、(遺贈・贈与が存在するために)それを下回る額しかもらえない状態になっている人が、
もらい過ぎの人に対して、
それぞれ別個に減殺(取り戻す)するのです。

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